犬の腸内環境を整える食べ物とは？愛犬が健康で長生きするために

私たち人間の腸の中には約１０００種類もの腸内細菌が住んでいます。

この腸内細菌によって腸内環境はよくも悪くも変化しますが、悪くすると 下痢や便秘などを起こしたり、免疫力が低下することもあります。

健康のためには食事内容や生活習慣を見直し、腸内環境を整えることが大切です。

これは、犬の場合もまったく同じことが言えます。

ここでは犬の腸内環境や、環境を整えるために適した食べ物などについてご紹介します。

腸内環境とは？

人間と同じように犬の腸は食べ物から栄養を吸収し、不必要なものや老廃物を排出するという働きをします。

犬の腸内には約３００種類の腸内細菌が住んでいますが、

この細菌のバランスを整える＝腸内環境を整える、ということになります。

犬の腸内細菌は人間同様、主に次の３つに分けられます。

・善玉菌・・・体にいい影響を与え、腸の働きを活発化させます。また病気などに対する抵抗力を高める手伝いをします。

・悪玉菌・・・下痢や便秘を起こしたり体に悪い影響を与えます。炎症を起こさせたり、

発がん性物質をつくることもあります。

・日和見菌・・・特にいい働きも悪い働きもしないのですが、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると悪玉菌優位に働きます。

老廃物などをきちんと排出するにはこれら３つの菌のバランスが非常に重要です。

腸内環境が乱れているとどうなる？

腸が正常に働いていれば食べ物から栄養をバランスよく吸収できます。

腸内環境が乱れ悪玉菌が増えると便秘や下痢などになり、腸内にアンモニアや発がん性物質がつくられることもあります。

そして善玉菌が減るとウィルスなどに対する免疫力が低下し、さまざまな病気の原因に なってしまいます。

最近ではアレルギーをもつ犬が増えていますが、このアレルギーも 腸内環境のバランスが関係しているといわれています。

また毛並みや体臭などにも影響を与えることがわかっています。

確かめる方法

愛犬の腸内環境を調べるには、便をチェックするといいでしょう。

便というのは健康のバロメーターですから、便の状態をまず確かめてみましょう。

健康な便というのは、硬すぎでもなく、やわらかすぎでもありません。

便は約８割が水分で残りの２割が食べ物のカスや老廃物、排出された腸内細菌です。

小さくてころころした硬い便だったら、食物繊維が不足し悪玉菌が腸内に残っているということです。

また下痢の場合は悪玉菌が増加し、食べ物の消化吸収がうまくできていないことなどが原因として考えられます。

腸内環境が悪くなる原因

栄養バランスの悪い食事内容や、加齢、ストレスなどが原因で腸内環境が乱れます。

運動不足が腸内環境に影響を与えることもあります。

また抗生剤などの薬を長期間使用していると、腸内環境に影響を与えることがあります。

善玉菌を増やすための食事

おすすめ食材

善玉菌を増やす効果のある食材を毎日の食事に取り入れるといいでしょう。

・りんご・・・善玉菌を活性化させるペクチンを含んでいます。

・キャベツ・・・免疫力アップに欠かせないビタミンＣや、胃腸の粘膜を保護するビタミン、キャベジンが多く含まれています。

ただし食物繊維が非常に豊富なので、胃腸が弱い犬では注意が必要です。

・生肉・・・野生の狼や犬などは生肉や内臓が食事でした。これらは善玉菌がたっぷりです。

・ヨーグルト・・・善玉菌の一種、乳酸菌が豊富に含まれます。無糖タイプを選びましょう。

肉を中心とした食事ではなく野菜中心の食生活のほうが善玉菌にとっては よい環境といえます。

しかし犬の体はもともと肉を中心とした食事が適しており、犬の腸というのは

草食動物と違って、食物繊維の多い野菜などの消化吸収に不向きなのです。

犬に野菜や果物を与えるなら、次のような工夫をしてみてください。

・生の野菜を与える場合はすりおろしたり細かく刻む。

・加熱する場合はやわらかくなるまで煮込んだり、煮たものをミキサーなどを 使ってさらに小さくやわらかくする。

・いきなりたくさん与えるのではなく、普段の食事（ドッグフードなど）に少し混ぜる程度の量から始める。

まとめ

ここでは犬の腸内環境についてご紹介しました。

①人間と同じように腸内細菌のバランスが大切。

②腸内環境の悪化はさまざまな病気につながることがある。

③健康のバロメーター、便をチェックする。

④善玉菌を増やすには食事内容の見直しをして、食材はひと工夫して与える。

腸内環境を整えることはアンチエイジングにつながる、といいますね。

愛犬が健康で長生きできるように、善玉菌を増やす食事にしてみるのはいかがでしょうか。