ペットをダニから守るには?犬の寄生虫「マダニ」対策をご紹介

気候がよくなってくると、お散歩など外で過ごす時間が増えてきますね。

レジャーシーズンにはペットを連れて自然が豊かな行楽地へお出かけすることも あるかもしれませんが、屋外で気をつけたいのがペットに寄生する「ダニ」です。

意外と身近なところに潜んでいるマダニなどの寄生虫はさまざまな病気を引き起こしますが、ときには命にかかわることもあるため注意が必要です。

ここではペット、主に犬に寄生する典型的なダニ「マダニ」について、詳しくご紹介していきます。

マダニとは

マダニとは

動物に寄生し吸血することで病気や感染症を引き起こすマダニですがペットだけでなく人間にも寄生して病原体を媒介します。

吸血したマダニは小豆ほどの大きさになるためわかりやすいのですが、吸血前のマダニは非常に小さいため見つけることが困難で、知らないうちに寄生されていることが多いです。

もし犬や猫などにマダニが寄生しているのを見つけたとしても、手で引っ張ってとることはおすすめできません。

無理に引き離そうとするとマダニの口器だけがペットの体内に残ってしまい、炎症をおこす可能性があります。

またつぶれてしまうとマダニの体内から卵が飛び散ることもあるので 専用のピンセットなどで慎重に取り除くか、獣医さんに駆除薬で除去してもらうといいでしょう。

マダニの生息域

マダニの生息域

日本に生息するマダニは10種類以上おり、沖縄から北海道まで全国各地の環境に適応しているのでやっかいです。

山林や川原の土手、草むらなどに多く生息していますが、なんと都心部の公園などでも確認されていますので油断できません。

マダニは動物の体温や体臭、二酸化炭素などの匂いに反応して木の上や葉先などから飛び移り吸血します。

散歩中だけでなく屋外で飼育している場合、特に自然豊かな土地では注意が必要です。

マダニの発生時期

冬になると発生数が激減するヤマトマダニというマダニもいますが、その他のマダニの活動時期はそれぞれ異なるため年間をとおしての対策が必要です。

一般に越冬したダニが活動しはじめる春と、若ダニや幼ダニが発生する秋の2回ピークシーズンがあります。

マダニが引き起こす病気

・アレルギー性皮膚炎・・・マダニの唾液がアレルゲンとなり、強いかゆみを引き起こします。

・貧血・・・数百匹レベルの大量のマダニに吸血されると貧血を引き起こし、最悪の場合死亡してしまうこともあります。

・ダニ麻痺症・・・唾液の中に毒性をもつマダニに吸血されると弛緩性麻痺などの神経障害を引き起こします。

・感染症・・・犬だけでなく、人間も感染します。

①犬バベシア症・・・マダニにより媒介されたバベシア原虫が犬の血管に入り赤血球に寄生し増殖します。

貧血、発熱、食欲不振、黄疸などの症状が出て、尿が赤くなったりします。

症状が重くなると嘔吐、下痢などの症状がみられ、急死することもあります。

人間に感染した場合は発熱、貧血などの症状があらわれます。

②ライム病・・・マダニによりボレリア菌が媒介され、発熱、元気消失、食欲不振、関節炎などの症状がみられます。

人間に感染した場合はかまれた部分が赤く腫れる遊走性紅斑がみられたり、発熱、多発性関節炎などの関節痛、皮膚異常、歩行異状、起立不能、神経過敏などの症状があらわれます。

③日本紅斑熱・・・マダニによりリケッチアという病原菌をうつされることで発症します。

犬に感染しても特に変化はみられませんが、人間に感染した場合は頭痛、発熱、全身の発疹、倦怠感などの症状がみられます。

重症化すると死亡することもあります。

④エールリヒア症・・・同じくリケッチアという病原菌により発症します。

犬の場合は発熱、鼻汁、元気消失、食欲不振などの症状があらわれます。

人間に感染した場合は発熱、頭痛、倦怠感、関節痛などの症状がみられ、重症化すると

呼吸困難に陥ることもあります。

●SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

マダニによるウィルス感染の可能性が高い、出血性素因を起こす病気です。

犬や猫での発症例はないそうですが、ペットの犬や猫の血液、便からSFTSウィルスが検出されたそうです。

発熱、嘔吐、下痢、筋肉痛、食欲低下などの症状のほか、意識障害や皮下出血などの症状もみられ、ここ数年のうちに60人以上の方が亡くなっています。

山の中や草むらに入るときなどは肌の露出を控え、マダニに噛まれないよう注意が必要です。

マダニ対策

マダニ対策

①定期的に駆除薬を投与する

ピークシーズンだけでなく1年中潜んでいるマダニには、月に1回の定期的な駆除薬の投与が効果的です。

市販されている駆除薬は動物用医薬部外品という扱いのため、手軽に購入できますが高い効果は期待できませんので、動物病院で動物用医薬品の処方をしてもらうことをおすすめします。

②マダニに噛まれないようにする

マダニ忌避効果のある首輪やスプレーなどを使うことで、マダニを寄せ付けにくくすることができるので、お出かけのときなどに使うのもいいですね。

こちらは犬の寄生虫に関する動画です。参考にしてくださいね。

https://www.bayer-pet.jp/pet/movie/dog/

まとめ

まとめ

写真をみるだけで鳥肌がたちそうなマダニについてご紹介しました。

①マダニは日本全国どこにでもいて、1年中注意が必要

②さまざまな病気を引き起こし、人間にも感染することがある

③動物病院で定期的に駆除薬を投与することが重要

感染すると命にかかわることもある病原体を媒介するマダニ。

しっかり予防し、愛犬と飼い主さんの健康を守ってくださいね。

投稿者プロフィール

山本
山本
犬をこよなく愛して20年。とある田舎で犬たちと暮らしています。

犬を飼っている方の疑問やお悩みを解決し、微力ながら犬と人が幸せに暮らせる社会づくりに貢献していきたいです。