ペットの老衰とは?愛犬の最期のときに飼い主さんができること

生きているものはいつか衰え、やがて死のときを迎えます。

ペットとはいえ大事な家族の一員である愛犬にも、等しくそのときは訪れます。

今は元気でも愛犬が老衰を迎えたらどうすればいいのか、不安になってしまう 飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。

ここではペットの老衰や、老衰を迎えた愛犬に飼い主さんができることについてご紹介します。

老衰とは

老衰とは

老衰というのは、高齢期において少しずつ全身の機能が衰退していく状態をいいます。

身体機能や感覚機能、認知能力などが低下しはじめるため、今まで当たり前のようにできていたことができなくなっていきます。

犬の高齢期はいつから?

犬の年齢は、人間に換算するとだいたい次のようになります。

1歳・・・人間の15~18歳

2歳・・・人間の22~24歳

5歳・・・人間の36~38歳

10歳・・・人間の56~60歳

15歳・・・人間の80~84歳

犬種などにより異なりますが一般に10歳以降、大型犬では8歳以降が高齢期にあたり、シニア犬と呼ばれます。

犬の老化現象とは

犬の老化現象とは

①運動量が減る

歩くことが少なくなり、飼い主さんが遊びに誘ってもはしゃいだりせず、

乗ってこなくなります。

散歩のときは歩くペースが落ちてゆっくり歩くようになり、階段や段差のあるところで

うまく歩けなかったりつまづくようになります。

②睡眠時間が増える

運動している時間が少なくなり、寝ている時間のほうが長くなります。

寝ているときに飼い主さんが呼んでも反応しなくなることもあります。

③食事の量が減る

あまり動かなくなるため、食事の量が減ってきます。

食事を消化吸収するには膨大なエネルギーを必要とするため、食べないことで体を休めているともいいます。

そして食事の量が減るため、体重が減少します。

犬の老衰の兆候

犬が亡くなる前には主に次のような兆候がみられます。

(すべての犬に当てはまるわけではありません。)

・反応が鈍くなる

・体や脚が痙攣する

・嘔吐や下痢をする

・寝たきりになる

・食事も水もとらなくなる

・呼吸が荒くなる

・視覚、聴覚が低下する

悲しいことですがこのような症状がみられたら、できる限りそばにいてあげてほしいと思います。

高齢の犬がかかりやすい病気

高齢の犬がかかりやすい病気

高齢期の犬によくみられる病気は、主に次のようなものがあります。

早期発見のためにも、覚えておくといいかもしれません。

・ガン、腫瘍

食欲がなくなり、嘔吐、下痢、便秘などをします。

リンパ節や皮膚の腫れなどは触ってわかることがありますが

内臓に発症した場合は発見が遅れることが多いため定期的に健康診断をするといいでしょう。

・心疾患

元気がない、咳をする、運動後に呼吸が乱れて苦しそうにするなどの症状がみられます。

進行すると呼吸困難をおこしたり肺に水がたまることもあります。

・内分泌系の病気(ホルモンの影響による病気)

①糖尿病

いつもより大量の水を飲んで排出するようになり、痩せる、毛づやが悪くなるなどの症状がみられます。

進行すると元気がなくなり白内障を併発することもあります。

②腎疾患(慢性腎不全)

食欲低下、体重減少、嘔吐、貧血などの症状がみられます。

糖尿病と同様に大量の水を飲み、たくさん尿をするようになります。

③甲状腺機能低下症

元気がなくなり動きが鈍くなり、食欲がおちても体重が増加したりします。

尻尾の脱毛からはじまり左右対称に脱毛が全身化します。

また皮膚の色素沈着や乾燥、黒ずみなどがみられます。

寒さに弱くなるため、冬場に重度の低体温症になると命にかかわることもあります。

飼い主さんにできること

飼い主さんにできること

・床ずれ防止

老齢の犬は寝たきりになってしまうことが多いので、床ずれの防止をします。

床ずれができやすいのは肘や肩甲骨、腰、頬など出っ張っている部分です。

こまめに体位を変えてあげたり、やわらかいタオルを当てるなど工夫してみてください。

・マッサージ

声をかけながらやさしく体をさするなどマッサージをすると血流がよくなり、また

聞き慣れた飼い主さんの声を聞くことで愛犬の気持ちが落ち着くといわれています。

肉球部分などをやさしくもんであげるのも効果があるそうです。

・体をきれいにする

老齢の犬にシャンプーをすると体に負担がかかってしまうので、固く絞ったタオルなどで

きれいに拭いてあげます。

このとき体の向きを変えることで、床ずれ防止にもなります。

介護してもらっている犬の様子はこちらをご覧ください。

まとめ

まとめ

ここではペット、犬の老衰についてご紹介しました。

①犬の8歳~10歳以降は高齢期で、だんだん全身の機能が衰えるなど老化現象がみられる

②高齢期の犬がかかりやすい病気にならないために、または早期発見のためにも 定期的に健康診断をうける

③老衰を迎えた愛犬には飼い主さんにしかできないケアをする。

いつまでも愛犬に元気でいてほしいけれど、必ずやってくる老いとお別れのとき。

ほんの少しだけ、そのときのために心の準備をしておくのもいいのではないでしょうか。

愛犬が年老いたな、と感じたらできる限りのケアをして更なる愛情を注いであげてください。

投稿者プロフィール

山本
山本
犬をこよなく愛して20年。とある田舎で犬たちと暮らしています。

犬を飼っている方の疑問やお悩みを解決し、微力ながら犬と人が幸せに暮らせる社会づくりに貢献していきたいです。