犬の歯石を放置していませんか?犬の歯周病には注意しましょう!

みなさんは、愛犬の口の中を見たことがあるでしょうか。

人間は定期的に歯医者さんに行くなど、手入れをしますよね。

犬の場合は飼い主さんが管理してあげないと、知らないうちに

歯周病になっていることがあります。

歯石があると生臭いような臭いがするので、臭いには気づくかもしれませんね。

実は3歳以上の犬の、なんと87%が歯周病である可能性があるのだそうです。

これはペット先進国といわれる、イギリスでの研究報告によるものです。

犬の歯周病はほうっておくとざまざまな病気のもとになるため、注意が必要です。

ここでは歯周病の原因となる、犬の歯石の原因や対策についてご紹介します。

犬にも歯石ができる

犬にも歯石ができる

歯磨きをしないと虫歯になるというのは人間の話。

人間の口の中は弱酸性なので虫歯になりやすいのですが、

犬の口の中は弱アルカリ性のため、虫歯になりにくいといわれています。

虫歯菌は口の中の糖を栄養にしますが、犬の唾液にはその糖を生成する酵素が

含まれていないのです。

ただし犬の場合は歯石ができやすいため、歯周病になりやすいといいます。

歯垢から歯石、そして歯周病へ

人間と同じで犬の口の中にも歯垢、つまり常在菌の塊ができます。

歯垢は唾液に含まれるマグネシウムやカルシウムと結合して

たった3日ほどで歯石になります。

歯石ができると歯の表面などがざらざらになり、さらに歯垢がたまりやすくなります。

歯垢に歯周病菌がはいりこむと、歯茎などに炎症を起こし、

歯肉炎や歯周病になってしまいます。

つまり歯周病の原因は、たまった歯垢や歯石なのです。

歯垢が増えると炎症などを起こしやすくなり、歯周ポケットが深くなります。

このあたりは人間と同じですね。

歯周ポケットが深くなるとさらに歯垢や歯石がたまり、だんだん歯がぐらついてきます。

最終的には歯が抜けてしまいます。

歯周病になるとどうなる?

歯周病になるとどうなる?

歯周病は口の中だけの問題ではありません。

歯周病菌は毛細血管から血液中へとはいりこみ全身にまわり、

骨や心臓、肝臓、腎臓など内臓にまで影響を及ぼします。

根尖膿瘍といって、眼の周りが膿んでしまい穴があいてしまうこともあります。

また歯が抜けたり、骨がもろくなるので骨折しやすくなります。

もしかして歯周病かも?ここをチェック

もしかして歯周病かも?ここをチェック

口の臭いをかぐ

歯石のない犬の口は、臭くありません。

生臭いような臭いがしたら歯周病かもしれません。

歯がぐらついている

歯周病がすすむと歯周ポケットが深くなり、歯がぐらぐらしてきます。

口の中を触れるようであれば、確かめてみるといいでしょう。

歯茎から出血している

おもちゃなどを噛んだときに血がついたりすることがあります。

生え変わりのときにも出血することがあるので、心配なときは獣医さんに相談しましょう。

歯石の原因

歯垢の段階であれば、歯磨きをしっかりすることで歯石になるのを防げます。

それではなぜ野生の犬やおおかみなどは虫歯になったりしないのでしょうか。

飼われている動物と違って、野生の動物たちは硬いものを噛み千切って

内臓や生肉などを食べています。

噛み千切ることは歯磨きをしているようなものなのです。

そして生肉や骨には酵素や良性菌が多く含まれていて、虫歯の原因となる

悪性菌をなくしています。

現代の犬は主にドッグフードなどの加工品を食べていますが、 ドッグフードやおやつには糖質が含まれています。

歯垢は糖質を栄養にしてどんどん増えていくのです。

野生の動物たちが虫歯にならず歯石もできにくいのは食べ物が違うからなのですね。

歯周病を防ぐには

歯磨き

歯石になる前に、歯垢を取り除くことが重要です。

飼い主さんが自分で歯磨きをしたくても、口を触らせてくれない犬もいますので、

難しいかもしれません。

自分でできなければ獣医さんに診てもらうと安心です。

歯石を取る

歯石を除去するには、家で行うか獣医さんなどで取ってもらうという方法があります。

家で歯石除去する場合

家で歯石除去する場合

メリット・・・安い。麻酔の必要がない。

デメリット・・・きちんと除去できているかわからない。犬が暴れてできない。

ポイント

家で飼い主さんが行うなら、まず犬の口に触れるようになることから始めましょう。

口をあけて中を見られるのを嫌がる犬は多いものです。

おやつなどを利用して口に触れるようになったら、今度は口をあけて 歯や歯茎に触れるようにします。

いきなり歯石除去をするのではなく、歯磨きから始めるといいですよ。

とはいえ歯ブラシをつっこまれたら犬も驚きます。

口の中に触れるようになったら濡らしたガーゼを指にまいて

歯の表面をこするようにして汚れをとっていきます。

前歯から始めて、だんだんと奥歯へ、と進めていきます。

犬が慣れてきたらガーゼから歯ブラシ、次に除去専用の道具で歯石除去をします。

とはいえ家で行うのはかなり難しいそうですので、くれぐれも

焦ったり無理はしないでくださいね。

チャレンジしたい方はこちらを参考にしてみてください。

動物病院で歯石除去する場合

メリット・・・個人で除去するよりきれいになる。麻酔をかける場合は犬が暴れる心配がないため施術者が落ち着いてできる。

デメリット・・・費用が高い。全身麻酔する場合、飼い主さんが不安になる。

ポイント

全身麻酔をしての歯石除去ですので、しっかりと説明してくれる

獣医さんを選ぶことをおすすめします。

血液検査やレントゲンなどによる検査をし、歯石除去や必要であれば

歯周病の治療も行います。

犬の大きさや体重によりますが、歯石除去の費用はおよそ2万円から8万円になります。

無麻酔による方法

歯石除去の専門病院やトリミングのお店では、無麻酔で歯石除去することも可能です。

この場合は、高齢の犬や暴れる可能性のある犬などでは事前説明が必要になります。

こちらの費用はおよそ6000円から1万5千円くらいになります。

まとめ

愛犬が歯周病になったらかわいそうですし、飼い主さんも悲しいですよね。

口の中の常在菌をへらすには腸内環境を整えることも大事なので、

食事の内容を見直してみるのもおすすめです。

歯周病で全身麻酔による抜歯、なんてことにならないように

飼い主さんがきちんと管理してあげましょう。

投稿者プロフィール

山本
山本
犬をこよなく愛して20年。とある田舎で犬たちと暮らしています。

犬を飼っている方の疑問やお悩みを解決し、微力ながら犬と人が幸せに暮らせる社会づくりに貢献していきたいです。